フランチャイズビジネスを成功させるための、フランチャイズ本部立ち上げに関する6つのステップについて解説します。
事業を拡大したい経営者の人は、効果的な事業拡大方法の一つとして「フランチャイズ展開」を思いつくのではないでしょうか。
やりたいけど、はじめ方がわからないフランチャイズビジネスの始め方を『6つのステップ』でご紹介します!
TOPICS(目次)
事業を拡大していきたいと思っている経営者の中には、よく下記のようなお悩みを抱えています。
「フランチャイズを始めたいけど、本部の立ち上げ方がわからない」
「フランチャイズをスタートするためにはどんな準備が必要なのか」
「フランチャイズビジネスって失敗しがち?」
フランチャイズビジネスは、いくつかのポイントさえ押さえれば、誰でも簡単に立ち上げることができます!
ただ、フランチャイズ本部としての準備をきちんとせずに始めてしまうと、とても大変なことになります。
ビジネスを始めることは容易ではありません。
想定される準備をきちんとすることで、短期間で効率よく加盟店獲得、および事業拡大が見込めます!
今回は、フランチャイズ本部を立ち上げるための手順を6つのステップでご紹介します。
フランチャイズ本部構築の基本と言える内容になりますので、自社に照らし合わせながら読んでみてください。
フランチャイズビジネスを成功させるためにまず行うべきことは、「成功している他のフランチャイズモデルを分析すること」です。
自社で実現しようとしているビジネスに近いビジネスモデルを分析し、成功している企業を調べてみましょう。
他社の成功事例を参考にすることで、その成功の要因を見つけ出し、自社のフランチャイズビジネスの方向性や戦略をより具体的にイメージさせることができます。
成功ポイントを明確にすることで、注意すべき点や自社の独自性を見出すことができます。
一方で、成功ポイントが不明確だと、せっかくフランチャイズビジネスを始めても経営がうまくいかないケースがあります。
また、他社の事例から学ぶことで、自社の強みや改善すべき点を明確にし、より効果的な展開計画を立てることができるでしょう。
成功モデルの分析を通じて、自社の独自性を強化し、市場での競争力を高めるための戦略を導き出すことが重要です。
自社のポテンシャルを最大限に引き出すために、他社の成功事例を綿密に分析し、自社のフランチャイズビジネスの成長を加速させましょう。
あわせて、成功モデルの分析は競合他社の状況を把握するためにも重要です。競合他社のフランチャイズビジネスがどのように成功しているのかを調査し、差別化戦略を立てることができます。
フランチャイズ・ビジネスの特色の一つとして、加盟店(フランチャイジー)がフランチャイズ本部(フランチャイザー)の商標やそのほかの営業の象徴となる標識を使って営業を行う権利を与えられるということがあります。
フランチャイズ本部が加盟店に商標の使用許諾をするためには、フランチャイズ本部がその商標権者(当該商標の持ち主)であることが必要です。
商標権とは、商標(トレードマーク)と呼ばれるマークや記号に対する独占的な権利で、特許庁によって登録されることで発生します。商標は、商品の識別標識として機能し、消費者が製品やサービスの出所を認識するための手段で、商標には、文字、図形、記号、立体的形状、色彩、音などが含まれます 。
商標権の主な目的は、企業が自社のブランドを保護し、他者による無断使用を防ぐことです。
これにより、消費者は安心して特定の品質や信頼性を持つ商品やサービスを選ぶことができます 。
商標権が認められると、その商標を付した商品やサービスについて、登録者が独占的に使用する権利を有し、他者による同一または類似の商標の使用を禁止することができます 。
商標を登録するためには、特許庁に出願し、審査を経て登録される必要があります。
出願には、商標を使用する商品やサービスの範囲を指定し、その商標が他者の商標と紛らわしくないかどうかが審査されます 。
審査を通過し、登録料を支払うと商標権が発生し、10年間有効となります。10年ごとに更新することも可能です 。
⏩商標権の利点
ブランド保護 | 商標権により、自社のブランドや商品名を他者の模倣から守ることができます。 |
信頼性の向上 | 消費者が商標を見て製品の品質や信頼性を認識できるため、ブランドイメージの向上につながります。 |
市場での競争優位 | 独占的な商標使用により、市場での差別化が図れます。 |
フランチャイズビジネスを展開するためには、自社の「サービス商標」を登録することが必要です!
商標登録を行うことで、他社による商標の悪用や模倣を防ぐことができます。
商標登録の申請には時間がかかることもあるため、早めに手続きを開始しましょう。
商標登録が完了すると、他社との差別化やブランド価値の向上にもつながります。
フランチャイズビジネスを展開させるためには、フランチャイズ加盟店で「同じ看板」を使ってもらうことが重要です。
そのために商標登録が必要であり、もし自社サービスが事業拡大していった際に、他社が商標申請を行っていると、看板が使えなくなる可能性があります。
その際には加盟店全店で看板やブランドなどを変える必要があり、ブランディング面やコスト面でのリスクが高くなります。
自社サービスをフランチャイズ展開で事業拡大していくことが決まった際には、早めに対応することをおすすめします!
フランチャイズビジネスを展開するためには、明確な理念体系を持つことが重要です。
◆理念体系とは
「企業や組織が掲げる基本的な信念や価値観、行動指針を体系的にまとめたもの」です。
これには企業の使命(ミッション)、将来の展望(ビジョン)、価値観(バリュー)が含まれます。理念体系は、企業の方向性を明確にし、従業員や加盟店の行動を統一するための重要な基盤となります。
特にフランチャイズチェーンにおいては、理念体系の共有が特に重要とされています。
フランチャイズ本部と加盟店が共通の理念を持ち、それを正確に理解し共有することで、チェーン全体の統一感が生まれ、成功の基盤となります 。
理念体系の明確化には経営者や関係者との意見交換やブレストセッションが必要です。
ビジネスの目的や方向性を明確にし、理念体系を策定し、また理念体系は常に見直しを行う必要があります。
環境の変化に応じて柔軟に理念体系を変更し、ブランド価値を高めていくことで、フランチャイズ本部と加盟店双方にとっての利点となります。
また、理念体系を明確にするためには、下記のような内容を固めると良いでしょう。
⏩理念体系のポイント
事業コンセプト | フランチャイズ化する事業を含めた会社全体の方向性、コンセプトを明確にしたもの |
チェーンの存在価値規定 | フランチャイズ本部の事業が社会に対してどんなベネフィットを提供するかを示したもの |
経営理念規定 | 事業コンセプト、存在価値規定に基づき、会社組織がどのような方針と姿勢で、企業やFC本部を運営していくか明確にしたもの |
チェーン化の目的規定 | フランチャイズチェーン化により実現しようとしていること、なぜフランチャイズ展開するのか、将来的に目指す状態を明確にしたもの。 チェーン化の目的規定は、加盟希望者、加盟店が。 |
フランチャイズビジネスを展開するためには、フランチャイズビジネスモデルの構築が必要です。
フランチャイズビジネスを展開させるためには、サービスや商材に合ったビジネスモデルで加盟店を獲得し、事業拡大していくことが重要になります。サービスや商材の特異性に合わないビジネスモデルを構築すると、事業拡大につながらず失敗してしまう可能性が高いため、どのように構築するべきかは下記のような「代表的なビジネスモデル」を参考に構築する必要があります。
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◆フランチャイズビジネスモデルの代表的な「5つのタイプ」
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「ビジネスフォーマットタイプ」は、フランチャイズビジネスモデルの代表的な形式です。
このモデルは、業務マニュアル(毎日の業務手順書)やパッケージ(流通、情報システム、商品などの店舗運営に必要なセット)を中心に構成されています。
フランチャイズ本部が加盟店へ提供するこれらの支援により、経営経験がない初心者の方でもスムーズに店舗を開業し、運営することが可能で、加盟店は開業段階からフランチャイズ本部のサポートを受け、開業後は売上の一部をロイヤリティとしてフランチャイズ本部に支払う仕組みになっています。
開業当初から失敗する可能性が少ないのが大きなメリットで、本部の手厚いサポートを受けられ在庫や会計などを管理する情報システムや商品の開発はフランチャイズ本部が行うため、店舗経営のみに集中することが可能ですが、フランチャイズ本部のサポートが手厚い分、ロイヤリティが高くなるのがデメリットです。
フランチャイズ本部としては、業務マニュアルや商品開発、会計、在庫管理などシステムとして構築すべきボリュームが大きいのが特徴ですが、システムが構築されている分加盟店を機械的に管理することが可能です。
====== 🔍加盟店へのおすすめポイント ======
フランチャイズ本部からの手厚いサポートを受けられます。そのため店舗経営のご経験がない方や経営知識がない方などの初心者にとっては、小さなリスクで事業を始められ、かつ成功する確率が高いビジネスモデルです!
「パッケージライセンスビジネスタイプ」は、ビジネスモデルをパッケージとして加盟店に提供する形式です。
このタイプでは、「パッケージの導入と店舗立ち上げ時のみ」フランチャイズ本部が手厚くサポートしますが、その後は加盟店の経営者が自力で事業を拡大していく必要があります。
初期費用以外で必要になるランニングコスト(ロイヤリティや研修費、宣伝広告費など)が、ビジネスフォーマットタイプと比べると安くなるのがメリットですが、フランチャイズ本部からのコンサルや展開支援などの手厚いサポートが受けられないため、店舗運営経験や経営知識がない方は、初期の段階で失敗する可能性が高いのがデメリットです。
====== 🔍加盟店へのおすすめポイント ======
開業当初の、店舗立ち上げ時にかかる手間を省き、店舗運営は自走できる人に向いているビジネスモデルです!
「のれん分けタイプ」は、長年勤務してきた社員が独立する際に、直営店を譲渡されたり新店舗を開業したりする形式です。
本店と同じビジネスモデルや屋号の使用が許可されており、形式的には「ビジネスフォーマットタイプ」と少し似ていますが、初期導入やサポートの必要性において異なります。
本店での経験が豊富な社員は、経験や知識を蓄積しており、本店のビジネスモデルについて十分な知識と経験を持っているため、手取り足取り経営ノウハウを教えてもらう必要がありません。
したがって、のれん分けタイプでは、ブランド名を活用しつつも、自分の裁量で店舗運営を行うことが可能です。
ビジネスフォーマットタイプと比べて、のれん分けタイプでは導入支援や立ち上げサポートが不要で、イニシャルコストが低く抑えられることがメリットです。フランチャイズ本部とコミュニケーションを密に取ることで、新規商品の開発や宣伝方法の検証など、ビジネスモデルの改善に参画できる場合もあり、店舗経営を自由に行うことができます。
ただ、ビジネスフォーマットタイプよりイニシャルコストは抑えられますが、その後ロイヤリティが発生するのはデメリットです。
業種内容によって様々ですが、事前にロイヤリティを確認しておくことが重要です。
====== 🔍加盟店へのおすすめポイント ======
フランチャイズ本部および本店にて長年働いてきた人が、知識や経験、形成してきた人脈を活かして独立するときに有効なビジネスモデルです!
「代理店タイプ」は、加盟店が販売代理店として機能する形式です。
事業本部が開発した商材を代理店として販売し、その販売利益を両者で分配します。
販売範囲を広げたいフランチャイズ本部と、商材を取り扱いたい加盟店の利害が一致したときに採用されます。
代理店となる事業者が、複数の販路を持っている場合継続的で一定の売上を見込むことができます。
コストは商材利用にかかる研修費や販売額に応じた販売手数料のみで、初期費用やロイヤリティはかかりません。
加えて、商材の開発はフランチャイズ本部が担当するため、販売に専念できる点も魅力です。
ただ、想定していた売上が出せなかった場合、販売コストが合わず、赤字となるケースがあります。
そのため、何を売るかは慎重に選択して実行しなければなりません。
====== 🔍加盟店へのおすすめポイント ======
代理店タイプは、既に販路を持つ企業や個人に多くのメリットを提供するビジネスモデルです!
「商材支援タイプ」は、フランチャイズ本部が加盟店に商材を提供し、加盟店がその商材を販売した額に基づいて成果報酬としてフランチャイズ本部に支払う仕組みです。
フランチャイズというよりも、業務委託に近いビジネスモデルです。
業務委託と同じように加盟店が、フランチャイズ本部より依頼された商材を売れば売るほど利益につながるのが最大のメリットです。
また、イニシャルコストが発生しないため、加盟店側が抱えるリスクは少ないです。
ただ、どの商材を売るのか慎重に選ぶ必要があります。商材の販売がうまくいかない場合、仕入れコストが嵩み売上を出すことができなくなります。
====== 🔍加盟店へのおすすめポイント ======
商材支援タイプは、個人事業主などが副業として取り組むのが適しているビジネスモデルです!
フランチャイズビジネスを成功させるためには、フランチャイズ本部の機能をしっかりと整備することが重要です。
フランチャイズ本部は加盟店のサポートや管理、マーケティングなどを担当します。加盟店との円滑なコミュニケーションや問題解決能力を持つことが求められ、組織として組み立てることが重要です。
どの部門にどの人材を配置するのか、組織の決定を行う際のスピード感を持ったエスカレーションができるかどうかなどフランチャイズ本部を立ち上げる初期段階で、しっかりと整備しておくことが求められます。
⏩フランチャイズ本部に必要な10の機能
⏩フランチャイズ本部組織例 (※参考文献より引用)
上記は参考文献より引用したフランチャイズ本部組織作りの例です。
フランチャイズビジネスを展開していくために、加盟者開発および、加盟者のサポートを手厚く行える組織づくりが重要です。
フランチャイズ本部には「フランチャイズ運営部」「開発部」「トレーニング部」の3つの部門に分かれます。
開発部門の中には「加盟店開発課」と「物件開発課」に分かれています。(ビジネス形態に基づいて要設定)
フランチャイズビジネスが飛躍していくためには、フランチャイズ本部組織が整備されていることが欠かせません。
上記を参考に、フランチャイズ本部の組織構築をしっかりと行なってから展開するようにしましょう!
フランチャイズビジネスを展開するためには、加盟店を募集する必要があります。
加盟店の募集には広告やPR活動、セミナーなどのマーケティング手法が有効で、加盟店候補者の母数を集めるためには、フランチャイズ本部のブランディング力が必要になってきます。
また、加盟店の選定基準や契約条件を明確にし、適切な加盟店を選ぶことが重要です。
フランチャイズ契約を結んで、店舗経営をスタートさせても経営がうまくいかず、ロイヤリティが払えずに失敗する加盟店があるため、フランチャイズ本部もフランチャイズ契約を結ぶ加盟店とは慎重に面談を行うことが重要です。
以下ではフランチャイズ加盟店募集方法をいくつか紹介します。
ウェブサイトの活用
フランチャイズ本部のウェブサイトには、専用の「加盟店募集」ページを設けることが基本です。
このページでは、フランチャイズの魅力や募集要項を詳しく説明し、見込み加盟希望者の関心を引きます。加盟希望者により詳細な加盟イメージを持たせることが重要になります。
また、SEO対策を施し、検索エンジンで上位に表示されるようにすることも重要です。
広告の活用
インターネット広告やSNS広告を通じて、広範囲にわたり効率的に見込み加盟希望者にアプローチできます。
インターネット広告では、加盟者となるペルソナに絞ってターゲティング配信を行うことが可能です。
例えば、年齢や性別、所在地、興味関心、利用者データ、行動など詳細な設定が可能となります。
興味本位の顧客ではなく、ペルソナに沿った見込み加盟希望者のみを獲得し、アプローチすることができるため効率的な営業が可能です。
さらに、業界誌やビジネス雑誌などの紙媒体広告と展示会への出展も有効です。
フランチャイズ加盟を希望する多くの方々と直接接点を持つことができる点は、他の方法にはないメリットといえます。
自社の加盟ターゲットが訪れる可能性のあるフェア・展示会を選定して出展すると良いでしょう。
セミナーの開催
セミナーを通じて、興味を持った見込み加盟希望者に直接アピールします。
セミナーでは、フランチャイズシステムの詳細や成功事例、サポート体制などを具体的に説明し、加盟希望者が加盟後にイメージをより強く持たせるように意識することが重要です。
セミナーの中には加盟希望者からの質問に答える場を設け、コミュニケーションをとることを意識することが望ましいです。
セミナー後には、興味を持った参加者を個別面談に誘導し、より詳細な説明をすることで加盟へと近づけることができます。
加盟店の募集には時間と労力がかかることもあるため、計画的に進めることが望ましいです。
加盟店との面談や交渉を通じて相互の期待や条件を確認し、円滑な契約締結に繋げ、フランチャイズビジネスを事業拡大させていくことで、大きく飛躍していきます。
また、フランチャイズ本部として加盟店が成功するためのサポート体制も整えることを忘れずに行いましょう。